FACTFULNESS 世界は良い方向に向かっているという事実。数字の向こうに人がいる。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 [ ハンス・ロスリング ]

感想

FACTFULNESSが伝えていることは、事実がこうだ、ということもあるけれど、著者の失敗を通して、事実を知ること、事実に基づいて考えること、数字の裏側にある人の感情や状況を知ることの大切さを学ぶことだと思う。

よくなっているのは、ひとりの英雄のおかげではなくて、その仕組みを作り維持している名もなき人たちのおかげ。
残る課題に対応するのは、ひとりひとりが課題について考えて助けの手を伸ばすこと。

たしかに、人の心は善と悪に分かれていくのかもしれない。できれば善につく人が悪(批判とか)に負けないようにしてほしいと願っている。

小学校と中学校で世界のことを学んでから約50年。
私の認識は、1970年の大阪万博から進歩していないようだ。

そのあとも世界は良い方向に向かっていたらしい。
そのことをこの本を読むまで気にしていなかった。

世界は良い方向に向かうのは素晴らしいことだ。

たしかにまだまだ世界には改善すべきことが残っている。

でも、数字で見る限り、貧困は減り、医療はよくなり、大事故は減り、識字率は上がっている。
そのほかにも、よいことは増え、良くないことは減っている。

ニュースでは悪いことが報道されるけれど、「よくなっている」と「悪い」は両立する。

たとえば、

戦争で亡くなる人は100年前にくらべてとても少なくなった。
ただし、今でも戦争(紛争)はおきている。

今でも戦争(紛争)はおきている。
しかし、戦争で亡くなる人は100年前にくらべてとても少なくなった。

FACTFULNESSにはたくさんのグラフが示されている。

ひとつひとつのグラフから、わたしの思い込みがあばかれ、世界が良い方向に向かってきたことがわかる。

ぜひ、グラフとその解説をみてほしい。

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FACTFULNESS 世界は良い方向に向かっているという事実。数字の向こうに人がいる。

ほぼ400ページになる本なのでごく簡単にまとめます。

FACTFULNESSを読んで、たくさんのグラフを見て、自分が印象によって世界を判断していないかを確認してほしいです。

 

ファクトフルネスその1:分断本能を抑える

分断本能を抑える
分断本能を抑える

世界は白黒の分断ではなく、その中間に大半の人がいるグラデーション。
しかも、貧困人の割合は減り続けている。地球上の人の数は増えているにもかかわらず。

おおさむのコメント:
左下の図の下段にある通り、1日2ドル以下で生活する人は10億人。2ドルから8ドルで暮らす人は30億人。レベル4で暮らす人にとっては、レベル1も2も3も同じに見えるかもしれない。しかし、そこにいる人には大きく違う。左下の写真や「世界で暮らす人たちの状況」のサイトで動画を見ていただきたい。
右下の図にあるように、各レベルごとの人はどの地域にもいる。そして、レベル1から2へ、2から3へ、3から4へと移っていることがわかるだろう。
世界は徐々にだけれど貧困から抜け出している。おそらく、右下の予想よりはるかに早く。なぜなら、貧困から抜け出す方法を知る人が増え、伝える速度が速まり、どうすればよいかを的確に伝えられるようになるからだ。この10年でインターネットで動画を送ることがたやすくなった。次の10年では動画を使った医療や学習機会が普通になるだろう。
神様は人に持ち物を分かち合うように求めておられる、分かち合う時に貧困はなくなり、皆が豊かになる。

世界で暮らす人たちの状況
http://www.dollar-street.org/

地域と暮らし
地域と暮らし
富と健康
富と健康

 

ファクトフルネスその2:ネガティブ本能を抑える

ネガティブ本能を抑える
ネガティブ本能を抑える

世界は進歩している
事実は、悪いことは急激に減り続け、よいことは急激に増え続けている

「悪いニュースのほうが広がりやすい」
しかも「良い出来事はニュースになりにくい」
ことを覚えておこう

おおさむのコメント:
ニュースを見ていると、世界は悪くなっていると思えてしまう。悪質な交通違反、殺人事件や放火は増え、広範囲に影響を与える大事故は絶えず、内紛で追われた難民があふれている。
それは事実だ。でも、非日常の悪い出来事は人目を惹く。日常の小さなよいことはニュースにならない。良いことは悪いこと以上に増えているし、悪いことも減っている。
この世界をよくしようと日夜励んでいる多くの善良な人たちの努力のおかげで。

ファクトフルネスその3:直線本能を抑える

直線本能を抑える
直線本能を抑える

このまま人口が増え続けたらどうなる?と心配する方に向けて
世界の人口曲線は、緩やかになりつつある、という事実。

グラフは直線だけではなく、S字、滑り台型、コブ型、倍増型のほうが当てはまる

おおさむのコメント:
地球はこの数の人口を支えられない?
レベル4ではあまりものがあふれている。生産性は日々向上している。食料不足の心配は無用というように。(自給率の低さは心配かもしれないが)
レベル4に近づくと、子どもの数が減る。どの国でも、どの地域でも。乳幼児の死亡率が下がると、1カップルのもつ子供の数が減る。
乳幼児の死亡率は1800年には44%だった。100人の赤ちゃんのうち、乳幼児を通り抜けるのは54人。信じられない数字だ。1900年まではあまり変わらず、そこから急激に下がって今は4%だ。100人の赤ちゃんのうち、96人は乳幼児を通り過ぎる。

 

ファァクトフルネスその4:恐怖本能を抑える

恐怖本能を抑える
恐怖本能を抑える

・人は「恐ろしいもの」には自然に目がいく
めったに起きないことの情報が氾濫しているので、めったに起きないことがしょっちゅう起きていると錯覚する

・「恐怖」と「危険」は違う。リスクを正しく計算する。

・「リスク」=「危険度」×「頻度」

・「リスク」≠「恐ろしさ」

全死亡数に占める原因の割合
・自然災害=0.1%(100年間で大幅に減少した)
・飛行機事故=0.001%
・殺人=0.7%
・放射線被ばく=0%
・テロ被害者=0.05%

汚染水(による下痢)は世界で最も多くの子どもの命を奪っているもののひとつ。この事実はあまり報道されない。

DDTは有害だが死に至るほどではない。取扱いに注意すれば役に立つものだ。予防接種にも副作用はある。

おおさむのコメント:
「恐ろしい」と一度思い込むと、だれが何と言っても、それは危険だ、と判断してしまう。過大に反応してしまうのだ。いわゆる、「羹に懲りてあえ物を吹く」である。
統計がどうであれ、DDTは絶対に悪?。放射線を避けるための政策でお年寄りが知らない土地で一人暮らしを強いられて孤独に亡くなる。
恐れるべきは、近視眼かもしれない。

ファクトフルネスその5:過大視本能を抑える

過大視本能を抑える
過大視本能を抑える

ただひとつの数字がとても重要だと感じたら、ほかの数字と比較したり、割り算(割合を計算)をしてみる。

項目が並んでいたら、最も大きな項目だけに注目しよう。80:20の法則を思い出そう。小さな項目は無視してもよい。国や地域を比較するときは「ひとりあたり」で比べよう

例:1950年1440万人の赤ちゃんが1歳になるまでに亡くなっていた。9700万人の赤ちゃんが生まれていたので死亡率は15%
2016年は420万人の赤ちゃんが1歳になるまでに亡くなっていた。1億4100万人の赤ちゃんが生まれていたので死亡率は3%

おおさむのコメント:
100万円は大きいか? たしかに、大きい。
5千万円の家を買う時に、外装費は100万円です、と言われたらどうか。メガネを買いにいって、100万円です、と言われたらどうか。車を買いに行って100万円です、と言われたら。
今月の家計の赤字が100万円です、と言われたら。何にそんなにお金を使ったんだ、というだろう。水道代が5千円で、、そんなのはどうでもいい、大きいのはどれだ?と聞かないだろうか。
数字を見るときは何かと比較する、割合の大きいものを知る、という普通のことを普通に行おう。そうしたら、数字だけを見て慌てなくて済む。

ファクトフルネスその6:パターン化本能を抑える

パターン化本能を抑える
パターン化本能を抑える

ひとつの集団のパターンを根拠に説明されたら、間違いがあるかもしれないと考える。パターン化は間違いを生み出しやすい。
ある地域で当たり前のことは別の地域では別の理由で当たり前でないかもしれない。

戦場の兵士は仰向けにしておくと自分の嘔吐物で窒息する。しかし、赤ちゃんは反射神経が働いて仰向けでも横を向いて吐き出せる

チュニジアではお金が手に入ったらレンガを買って壁にしておくのが最も理に適う。(お金は盗まれたりインフレで目減りする、レンガだと価値は減らない、置き場所がないから壁にしてしまう)

なので、建てかけの家があちこちに散在する。これは計画性のなさではない。

おおさむのコメント:
自分の常識が窓の向こうにもずっと続いている、というのは大きな思い込み。
よそはよそ、うちはうち。大阪に住んでいても阪神ファンより巨人ファンが多いのも事実。
「はい」を示すのは首を縦に振る、だけではない、横に振る「YES」もある。
自分は心配性でも、隣にいる人は楽観的かもしれない。同じものが違って見えるのは世の常。
同じはかりで測れるのは重さだけ。同じ定規で測れるのは長さだけ。

ファクトフルネスその7:宿命本能を抑える

宿命本能を抑える
宿命本能を抑える

「ずっと同じ」は思い込みである。変化は少しづつ。しかし、大きな結果をもたらす。

子どものころ、三種の神器とよばれたもの:白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫

すこししたら⇒カラーテレビ・クーラー 自動車

いまは一家に何台あるんだ、という状況だよね。。

おおさむのコメント:
あらかじめ決まっているもの。犬は猫にはなれない。犬はどんなに努力しても猫にもネズミにもなれない。なろうともしないだろう。
あらかじめ決まったいないもの。住んでいる地域による将来。将来の仕事。将来の財産。つまり、行動によって変えられるもの。なろうとすればなれるもの。

ファクトフルネスその8:単純化本能を抑える

単純化本能を抑える
単純化本能を抑える

1つの視点だけで世界を理解することはできない
自分の考えが正しいと示す例だけを見るのではなく、意見の合わない人に検証してもらうようにしよう

キューバは貧乏な国の中で一番健康だ⇒健康な国の中で一番貧乏だ どちらの見方もあり
アメリカは豊かな国の中で一番不健康だ。民主主義が万能であるのではない。

おおさむのコメント:
ものの見方はひとつではない。それはこういうことだ、と言いそうになったら、この世は複雑な関数でできていると思いだそう。
でもひとつだけ覚えておいてほしい。愛は人を救う。愛は人を救う。愛は自分を救う。愛は隣人を救う。こえはすべてに応用できる。

ファクトフルネスその9:犯人捜し本能を抑える

犯人捜し本能を抑える
犯人捜し本能を抑える

誰かに責任を求める癖を断ち切る。
ひとりの人間が大きな結果をもたらすほどの影響力をもつことは少ない。
良い結果でも悪い結果でも。

犯人ではなく原因やシステムを探し、うまくいっていたら、仕組みを支える人たちの功績を認めよう

問題を起こした責任を他人に押し付けるのは簡単だが、そうすると思考が止まってしまい、改善ができなくなる

おおさむのコメント:
大きなトラブルが起きたら、仕組みを変えることに力をそそいだほうがいい。
犯人を見つけて責任を負わせても、仕組みが同じなら、また別の人が同じトラブルを引き起こすだけ。
「だれか」がトラブルを起こす仕組みを見つけてくれたことに感謝すればいい。

ファクトフルネスその10:焦り本能を抑える

焦り本能を抑える
焦り本能を抑える

今決めなければ、取り返しがつかなくなる、ことはない。
あとから決めても大丈夫。

大げさな話、でっち上げは信頼性を失う

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抜粋

P301 「今しかない」という焦りはストレスの元になったり、逆に無関心に繋がってしまう。「何でもいいからとにかく変えなくては。分析は後回し。行動あるのみ」と感じたり、逆に「何をやってもダメ。自分にできることはない」諦めよう」という気持ちになる。どちらの場合も、考えることをやめ、本能に負け、愚かな判断をしてしまうことになる。

私が一番心配している五つのリスクは、感染症の世界的な流行、金融危機、世界大戦、地球温暖化、そして極度の貧困だ。なぜこの5つを特に心配してるかといえば、実際に起きる可能性が高いからだ。最初の三つはこれまでに起きたことがあるし、あとの二つは現在進行中だ。どの危機が起きても、大勢の人が苦しみ、数年、または、数十年にわたって人類の進歩が止まってしまう。もしこれらの危機を乗り越え乗り切れられなかったら、他の事も全て駄目になってしまう。これらの危機を避けるには、人々が力を合わせて小さな歩みを重ねるしかない。

貧困の撲滅にイノベーションは必要ない。他の場所で効果のあった対策を、極度の貧困にある人達に届ければいい。あとは最後の一歩を詰めるだけだ。早く動けばそれだけ、問題が小さいうちに抑えられる。極度の貧困にある限り、大家族は続き、家族の頭数は増え続ける。レベル1にいる10億人が、人間らしく暮らすための必需品を届けることに、今すぐ力を注ぐべきだ。

11章 ファクトフルネスを実践しよう

著者の経験談
ザイール(今のコンゴ民主共和国)で病気の調査をするためにある村に入ったときのこと。テントの周りに村人たちが押しかけ、なたを振り上げて出て行けとすごんでいる。村人たちは自分たちの血を売るために、その医師たちが来たと思い込んで、周りを囲んでいる状況だった。説明してもわかってもらえない。その時に1人の女性が進み出て、村人たちに事実に基づいた説明をしてくれたのである。それによってこの著者たちの医師団は守られ、調査を勧めることができた。

抜粋

P315 ファクトフルネスを日々の生活で使おう
・世界には健康と所得のレベルが様々に違う国があること。そのほとんどが中程度だということ。
・自分たちの国の社会と経済が、世界の中でどのあたりに位置するか。それがどう変わっているか
・自分たちの国が今の所得レベルになるまでに、どんなふうに進歩して来なくてきたのか。その知識を使って他の国の人たちが今どんな生活を送っているか理解しよう
・貧しい国所得レベルは上がっていて、物事は良い方向に向かっている。
・自分たちの国は進歩していないと誤解しないよう、昔の生活が実際にどんなものだったか
・反対に見える二つのことが、両立すること
・世界では悪い事も起きているけれど、たくさんのことがよくなっていること
・ニュースの見方。本能に訴えかけようとするメディアの手口を見抜けるようになれば、悪いニュースを見ても、不安になったり絶望したりしなくて済む。
・文化や宗教のステレオタイプは世界を理解するのに役立たないこと
・数字で煙に巻かれないよう、どんな手口に騙されやすいか
・世界は変わり続けていること、死ぬまでずっと知識と世界の見方をアップデートし続けならなければならないこと

・何よりも謙虚さと好奇心を持つこと
・謙虚であるということは、本能を抑えて事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気がつくことだ。自分の知識が限られていることを認めることだ。堂々と「知りません」と言えることだ。新しい事実を発見したら、喜んで意見を変えられることだ。謙虚になると心が楽になる。何もかも知っていなくてはならないというプレッシャーがなくなるし、いつも自分の意見を弁護しなければと感じなくていい。

・好奇心があるということは、新しい情報を積極的に探し、受け入れるということだ。自分の考えに合わない事実を大切にし、その裏にある意味を理解しようと努めることだ。答えを間違っても恥と思わず、間違いをきっかけに興味を持つことだ。

P342 訳者あとがきからの抜粋
・事実に基づかない事実を鵜呑みにしないためには、情報だけでなく自分自身を批判的に見る力が欠かせません。「この情報源を信頼していいのか」と問う前に、「自分は自分を信頼していいのか」と問うべきなのです。そのセルフチェックが役に立つのが、本書で紹介されていた10の本能です。もしどれかの本能が刺激されていたら、「この情報は真実ではない」と決めつける前に、「自分は事実を見る準備ができていない」と考えたいものです。必要なのは誰もが「自分は本能に支配されていた」と過ちを認める空気を作ることです。そういう空気を作るためには、本能に支配されていた人や、本能を支配しようとする人を叩くよりも、許すことの方が大事です。

おおさむのコメント:
人の目は事実よりもゆがんだ印象にとらわれることが多い。
自分の印象はゆがんでいるかもしれない、自分の者のみかたはゆがんでいるかもしれない、と謙虚になることも必要。
いつもそうしているから、みんなそうしているから、思考を停止しないで、ほかの見方があることを受け入れよう。
正義は人の数だけある。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 [ ハンス・ロスリング ]


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