モルモン書・ヤコブ書5章の要約と感想

モルモン書のヤコブ書5章では、ゼノスが栽培されたオリーブの木と野性のオリーブの木を使ったイスラエルの散乱と集合の預言が引用されている。
イスラエルの指導者たちは神さまの教えに従わなくなったので、神さまは彼らをのぞき、異邦人からの改宗者を導いた。
また、謙遜な人たちを別の場所に連れ出し、福音に沿った生活をするよう導いた。
やがて背教の時が来て、再び、福音が回復され、集合の業が行われることも預言した。

こんにちはおおさむです。訪問ありがとうございます。
モルモン書のヤコブ書5章は何を伝えているんだろうと思われているかもしれません。
モルモン書を学び始めてから40年以上が過ぎた私の考えを伝えます。お役にたてば幸いです。

モルモン書のヤコブ書5章には、「義を求めて正しく生きること」と「神様を信じる信仰を育てること」の大切さが示されています。人が存在するのは、神様の戒めに従って生きるためです。また、神様の戒めに従うためには、神様を信じる信仰を育てる必要があります。
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モルモン書・ヤコブ書5章の要約と感想

モルモン書のヤコブ書5章は掲載すると長くなるので以下には掲示していません。
ご自身でオンラインまたは書籍で読んでいただくようにお願いします。
ヤコブ書5章のオンライン版はここをクリック
※別タブ(画面)で開きます

ゼノスについて

(聖句ガイドより引用)

  • 旧約の時代のイスラエルの預言者。キリストの働きについて述べた彼の預言は,『モルモン書』にのみ記録されている。
  • キリストの埋葬と3日間の暗闇について預言した(ニーファイ第一書19章:10節,12節)
  • イスラエルの集合を預言した (ニーファイ第一書19章16節)
  • ヤコブは,栽培されたオリーブの木と野性のオリーブの木の,ゼノスの比喩を引用した(ヤコブ書5章)
  • ヤコブがゼノスの比喩を解き明かした(ヤコブ書6章1節-10節)
  • 祈りと礼拝について教えた(アルマ書33章3節-11節)
  • 贖いが神の御子を通して与えられることを教えた(アルマ書34章7節)
  • 大胆に証しし,そのために殺された(ヒラマン書8章19節)
  • レーマン人の回復について預言した(ヒラマン書15章11節)
  • キリストの死のときに起こる破壊について証した(ニーファイ第三書10章15節-16節)

用語

  • 果樹園:世界
  • 主人:救い主、贖い主、神さまの御子、エホバ、イエス・キリスト
  • 僕:預言者や救い主の福音を拡げる人
  • 自然:ヤコブの子孫(聖約の民)
  • 野生:異邦人(聖約を交わさない民)、背教したイスラエルの民
  • 木:国民
  • 根:聖約(神さまの福音と約束)
  • 枝:民の集団
  • 大枝:主流となる指導者とその集まり
  • 若枝:謙遜に従う人たち
  • 実:人、人の生活や行い
  • 接ぎ木:イスラエルの散乱、その後の集合
    • 【A】野生の木から栽培された木に接がれたのは、異邦人に福音が伝えられ、改宗してイスラエルの民(聖約)にくわわったことを示している。
    • 【B】最も良い地に移されたのは、リーハイたちのことである。
    • 【C】栽培された木から折り取られ、やせ地に置かれたのは、世界のあちこちに散らされたことを示している。
      アッスリヤやバビロンに捕囚されたイスラエルの民か。ヨーロッパやアジア、アフリカを指しているのかもしれない。のちに、栽培された木に接がれるのは、集合を示している。
  • 養い:(預言者や啓示によって伝えられた)神さまの善い言葉によって養われること、神さまの助け。
  • 枯れる:罪悪を犯す、民の福利を気に掛けず、神さまに反抗する。
  • 実の取れない時節:終わりのとき。
  • 実の取れない時節の前のしばらくの間:福千年。
  • 焼かれる:神さまの裁きにより受ける苦痛。恥と罪悪感。文字通り火で焼かれること。

【1】ヤコブの家をオリーブの木にたとえる

  • イスラエルの家=ヤコブの子孫
    ⇒ 自分の果樹園で栽培された一本のオリーブの木
  • 成長してやがて老い、朽ち始めた。
    ⇒ 神さまから離れ、背き始めた。
  • 果樹園の主人が来て、柔らかい若枝を出して枯れないように、この木を刈り込み,木の周りを掘り,養いを与えた。
    ⇒ 新しい指導者が出て神さまの教えに立が得るように、不正を取り除き、預言者を与えて、教え導いた。

(3-5節)

【2】その後の1度目の状況確認

※リーハイたちの状態を基準に考えると、南北イスラエル王国にアッスリアが攻めてきて、捕囚されるころか、その前後を指すと思われる。

【2-1】野生のオリーブの木から枝を接木する

  • 柔らかい若枝を少し出した。
    ⇒ 神さまを信じる人たちの集まりが新たにできてきた。
  • 中心の先の方が枯れ始めた。
    ⇒ 中心となる指導者が神さまから離れてしまった。
  • 枯れ始めた大枝を切り落として燃やしてしまう。
    ⇒ 神さまに背いた指導者を取り除く。
  • 【A】野生のオリーブの木から枝を取ってきて、枯れた枝の代わりに接ぐ。
     ⇒ 異邦人が聖約の民に加わる。

  • この木を刈り込み,木の周りを掘り,養いを与えた。
    ⇒ 不正を取り除き、預言者を与えて、教え導いた。

(6-7,9-12節)

参照聖句
異邦人がイスラエルの民となる
(ローマ人への手紙11章)
13)そこでわたしは、あなたがた異邦人に言う。
17)もしある枝が切り去られて、野生のオリブであるあなたがそれにつがれ、オリブの根の豊かな養分にあずかっているとすれば、
18)あなたはその枝に対して誇ってはならない。たとえ誇るとしても、あなたが根をささえているのではなく、根があなたをささえているのである。
19)すると、あなたは、「枝が切り去られたのは、わたしがつがれるためであった」と言うであろう。
20)まさに、そのとおりである。彼らは不信仰のゆえに切り去られ、あなたは信仰のゆえに立っているのである。高ぶった思いをいだかないで、むしろ恐れなさい。
21)もし神が元木の枝を惜しまなかったとすれば、あなたを惜しむようなことはないであろう。
22)神の慈愛と峻厳とを見よ。神の峻厳は倒れた者たちに向けられ、神の慈愛は、もしあなたがその慈愛にとどまっているなら、あなたに向けられる。そうでないと、あなたも切り取られるであろう。
23)しかし彼らも、不信仰を続けなければ、つがれるであろう。神には彼らを再びつぐ力がある。
24)なぜなら、もしあなたが自然のままの野生のオリブから切り取られ、自然の性質に反して良いオリブにつがれたとすれば、まして、これら自然のままの良い枝は、もっとたやすく、元のオリブにつがれないであろうか。

【2-2】果樹園の柔らかい若枝を別の場所で接ぎ木する

  • 果樹園の柔らかい若枝を別の場所で接ぎ木する。
    ⇒イスラエルの散乱。リーハイたちのように連れ出された者たち。

【B】最もよい場所に接ぎ木された枝
(8節)

【C】果樹園の一番低い場所に置かれた枝
[目的]栽培された木の枝(イスラエルの民)を残すこと、実の取れない時節に備えて実を蓄えるようにするため。
果樹園の主人だけがその場所を知っている。
(13-14節)

【3】2度目の状況確認

※リーハイの子孫の状態を基準に考えると、救い主の誕生やニーファイ人への訪れの前になると考えている。捕囚からエルサレムに戻ってきた民が福音に従っていた時代を示すのか。

  • 久しく時がたってから主人と僕は果樹園で実の状態を確認する。
  • 元の木も、接いだ枝、置いた枝も見回った後、すべての実に養いを与えた

(15,28節)
※ここでは「実」に養いを与えている。

【3-1】野生の木から接木した枝

【A】野生のオリーブの枝を接いだ木

  • すでに枝を伸ばし,その実は自然(ヤコブの子孫)の実のようによかった。
    [理由]もとの木の根の養分を吸い上げたから、継いだ枝に良い実をつけた。
    [結果]主人は実を蓄えた。
    [もし]枝を継がなかったら、木は枯れていた。

(16-18節)

【3-2】別の場所に接ぎ木された柔らかい若枝

【B】最もよい場所に接ぎ木された枝

  • ほかの木と同じように養いを与えてきたが、一部だけが(栽培した木が結ぶような)良い実を結び、ほかの部分は野生の実を結んだ。
    [結果]良い実を結ばない枝は火で焼かれた。
  • この木を刈り込み,木の周りを掘り,養いを与えた。

(25-27節)

【C】低い地に置かれた3本の枝

  • 隠した自然の枝(イスラエルの民)には、たくさんの良い実がなっている。
    [理由]やせた土地であったが、長い間、養いを与えてきた。
    [結果]主人は実を蓄えた。

(19-24節)
 20節,23節,24節でそれぞれ1本ずつ説明がある。

参照聖句
小枝を高い山に植える
(エゼキエル書17章)
22)主なる神はこう言われる、「わたしはまた香柏の高いこずえから小枝をとって、これを植え、その若芽の頂から柔らかい芽を摘みとり、これを高いすぐれた山に植える。
23)わたしはイスラエルの高い山にこれを植える。これは枝を出し、実を結び、みごとな香柏となり、その下にもろもろの種類の獣が住み、その枝の陰に各種の鳥が巣をつくる。
24)そして野のすべての木は、主なるわたしが高い木を低くし、低い木を高くし、緑の木を枯らし、枯れ木を緑にすることを知るようになる。主であるわたしはこれを語り、これをするのである」。

【4】3度目の状況確認

※大背教の結果が示されている

  • 終わりの時の前に、実の取れない時節に備えて実を蓄えるために訪問したが、すべての木の枝で良い実はなく、すべて悪い実であった。
  • 果樹園の主人は、これ以上のことはできないほど果樹園を養ってきた、ほとんど一日中、手を差し伸べてきたのに、と涙を流した。
  • 果樹園の木は野生の木のようになってしまい、どれも役に立たないので、悲しいことだが、火で焼くしかない。
    [木がだめになった原因]木が高くそびえたので、枝が良い根を負かして勢力を奪ったこと。
  • 切り倒すのはもう少し待つことにする。

(29,41-42,46-51)

参照聖句
終わりのときのまえに
(ニーファイ第二書30章)
10)主なる神が,民の中に甚だしい分離を引き起こされる時が速やかに来る。そのとき,主なる神は悪人を滅ぼし,御自分の民を救われる。まことに,たとえ火で悪人を滅ぼさなければならなくても,そのようにされる。

(ヤコブ書6章)
2)主なる神が主の民を元に戻す業に再び着手されるのは,主の僕たちが主の果樹園に養いを与え,刈り込みを行うために主の力をもって出て行く日,すなわち最後の時である。そして,その後すぐに終わりが来る。

【4-1】野生の木から接木した枝

【A】野生のオリーブの枝を接いだ木

  • 色々な種類の実をたくさんつけていたが、良い実はなかった。
  • 木は悪い実を沢山結んだので枯れ始めている。
    [理由]野生の枝が根を負かした。

(30-37節)

【4-2】別の場所に接ぎ木された柔らかい若枝

【B】最もよい場所に接ぎ木された枝

  • 最後の枝は弱り果てて枯れていた。
    [理由]前回、野生の実を結んだ枝を切り落として焼かなかったため、野生の実が良い実を結んだ部分を負かした。
    [経緯]この木は、そこにもともとあった木を切り払って代わりに植えたのである。

(40,43-45節)

【C】低い地に置かれた3本の枝

  • すべて悪い実がなっている。

(38-39節)

最後の働き

※末日に福音が回復されたことを示している

  • 枝を取り換え、枝を刈り込み,養いを与えた。
  • 実を結ばず、枯れることがわかっている枝は切り落として火で焼く。
    [理由]根が強くなり、良い枝が悪い枝を負かすと思うから。
  • 最後の枝(B)から始めて、(A)を最後にする。
  • 最後の接ぎ穂が成長して自然の実(良い実)を結び始めたら、成長できるように必要な準備をする。
  • 接ぎ穂が成長し始めたら、良い枝の力と大きさにあわせて、渋い実を結ぶ枝を取り除く。
  • 良い枝が悪い枝を負かすようにする。
  • 渋い実を結ぶ枝は一度にすべて取り除かないようにする。
  • 取り除いた悪い枝は切り取って焼くことで、果樹園から悪いものを一掃する。
  • 果樹園の主人と僕と僕が連れてきたほかの僕たち(少ない)が一緒に働いた。
  • 僕たちは力を尽くして働くなら、主人が蓄えた実によって喜びを得る。

(58-66節,69-72節)

参照聖句
終わりのときの前におきること
(ニーファイ第一書22章)
15)まことに,預言者は言っています。『サタンがもはや人の子らの心を支配できなくなる時が,速やかに来る。すべて高ぶる者と悪を行う者がわらのようになる日が,すぐに来るからである。彼らが焼かれる日が来る。
16)すべての人の子らに神の満ちみちる激しい怒りが注がれる日が,速やかに来る。神は,悪人が義人を滅ぼすのを許されないからである。
17)そのため神は,満ちみちる激しい怒りを下し,義人を守るために火をもって敵を滅ぼすことになっても,御自分の力によって義人を守られる。したがって,義人は恐れるには及ばない。たとえ火によってでも,彼らは救われるであろう。』預言者はそのように言っています。
23)利を得るために設けられるすべての教会,人のうえに支配権を得ようと設けられるすべての教会,世の人々の目にかなって評判を得るために設けられる教会,肉欲やこの世のものを求め,あらゆる罪悪を行う教会,要するに,悪魔の王国に属するすべての教会が恐れて震えおののく日が,速やかに来ます。これらの教会はちりの中に引き倒され,わらのように焼き尽くされなければならないのです。これは預言者の言葉のとおりです。

【A】野生のオリーブの枝を接いだ木

  • 一番渋い実のなる枝を切り落とし、低い地に置いた木の枝を接ぐ。
  • そのほかの野生の枝は切り落とさない。
    [目的]根を残すため。

(52-53,56-57,68節)

【B】最もよい場所に接ぎ木された枝
【C】低い地に置かれた3本の枝

  • もとの木(A)の枝をこちらの根に接ぐ。
    [目的]元の木の自然の枝(ヤコブの子孫)の根を残すため、強くなれば良い実を結ぶようになる。

(54-55,67節)

働きの結果

※再臨の前後のことを示している。

  • 自然の実が結び始め、自然の枝も成長してよく生い茂り、野生の枝を切り落とし、捨て始めた。
  • ついに、悪い枝を果樹園から捨て去った。
  • 残した木は自然の実(良い実)を結んだ。
  • 僕は主人と一緒に喜びを得る。
  • しばらくの間、実の取れない時節に備えて、実を蓄える。

(73-76節)

再び悪い実が生じる時

  • 良い実と悪い実を集めさせ、良い実は主人のために保存し、悪い実は捨てる。
  • その後に、実を結べない時節、つまり、終わりが来る。
  • そのとき、果樹園を火で焼かせる。

(77節)

まとめ

やせた土地であっても、神様の養いにより豊かな実を結ぶことができる。
神様は、どこのどんな人に対しても憐れみを示される。

わたしたちは、自分にあたえられた能力や割り当てがほかのひとよりも劣っていると落胆することもある。
しかし、神様はそこを補って豊かな実を結ぶことができるように養ってくださる。

わたしたちが実を結ぶ努力をしさえすれば。

おまけ

20代のころに書いたメモ

「オリーブ」の木のたとえ
 痩せ地でも、長い間かかって、忍耐して頑張る。
 ->必ず善い実がなる。
 最後の裁き
  僕の数は少ないが一生懸命に何事も言われた通りに働いた。
 主も一緒に働いた。

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モルモン書・ヤコブ書5章からあなたは何を学びますか



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この物語からあなたは何を学びますか

ここまで読まれて、自分には関係のない話だ、何の役にたつんだ、と思われているかもしれませんね。

わたしも最初に聖書を読んだとき、とても信じられない、こんなことありっこない、と思っていました。
それでも、その後、何度か聖書に出会う機会があり、読む機会があり、自分に当てはめて考えるようになりました。
そのうちのいくつかをここに示しました。

あなたも、この物語から、自分に役立つなにかをみつけていただければ幸いです。

あなたがたは、聖書の中に永遠の命があると思って調べているが、この聖書は、わたしについてあかしをするものである。
(ヨハネによる福音書5章39節)

聖書のこの書、この物語のどんな点でイエスキリストを見出しますか?
ここまで読んでくださったあなたへ
あなたは神様の子で、神様のみもとに永遠に住むことができる存在にです。
地上に来たのは、いろいろな経験により、あなたの能力が増し加わり、ほかの人を助けることができるようになるためです。

わたしもこれから成長していきたいので、あなたとともに歩んでいきたいと願っています。

神様はあなたを愛し、あなたの幸せを願っておられます。

ご質問があれば、下のほうにコメント欄があるのでそちらに書き込んでください。

聖書のオンライン版は
https://www.churchofjesuschrist.org/study/scriptures?lang=jpn
または
https://www.wordproject.org/bibles/jp/index.htm
を参照してください。
あなたがこの世に来たのは、神様の戒めに従って生きるため。
神に敵対する存在が真理と誤りを混ぜてあなたに伝えても、それに惑わされずに生きるために神様は道を示してくださいます、
そして、たとえ道を誤ったとしても、また戻ってくる方法があります。

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