司令長官モロナイは長い間戦闘の最前線、国境近くの荒野で多くの兵士とともにレーマン人と戦い続けている。
彼は、ゼラヘムラで何が起きているかを把握していない。
民を救うために兵を集め食糧を送る責任ある者がその勤めを果たさず、民や自分たちが苦難を味わい、殺されている状況を見て、政府の要職にある人たちに厳しい言葉をかけている。
司令長官モロナイの願いは、早くこの戦闘を終わらせ、平和を取り返し、元通りの信仰生活に戻ることである。
そのために死力を尽くして働く兵士を守りたいし、民を守りたいと願っている。
政府の要職にある人たちの怠惰や慢心、権力争いで責任を果たしていないなら、彼らを悔い改めさせ、悔い改めなければ、政府を転覆させても兵を守り、民を救おうと考えたのである。
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モルモン書・アルマ書60章の要約と感想
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司令長官モロナイは、政府の要職者:大さばきつかさであり国の総督であるパホーランと戦争の諸事を統轄し取り仕切るために選ばれた方々にあて以下の内容の手紙を送った。
従って「わたし」とは「司令長官モロナイ」を指す。
(1節)
兵士たちの疑問
政府の要職者たちは、兵を集め,あらゆる武器で武装させ,レーマン人が襲ってくる所に派遣して彼らと戦わせ、十分な食糧を送り、数千の人々が剣に倒されるのを救う、という職に任命されているにも関わらず、その責任を果たしていない。それはなぜか。
ニーファイ人はすでに数千人が殺されている。十分な援兵と援助を与えられていたら防げたかもしれない。
政府の要職者たちにむけて、前線で戦う兵士たちを甚だしくないがしろにし、殺されているニーファイ人について無頓着な状態にある理由を知りたい、と告げた。
あなたがたがあの王政党のように権威を求める国賊であるからか。
あなたがたが国の中央部にいて,周りが安全なためか。
あなたがたは、何もせず、神さまから与えられた手段を利用しないでも,神さまがわたしたちを救ってくださると思っているからか。
(2,5,6,8,18,19,21節)
兵士たちの苦しみと救い
わたしもすべての兵もとてもひどい苦難、飢えや渇き,疲労,そのほかあらゆる苦難を味わってきた。
飢え死にしそうになりながら、ニーファイ人の幸いを深く望んでいたので,戦いに出て血を流し,命を失った。
わたしたちは自分たちの受けた苦難についてはつぶやかず,不平も言わない。
神さまは、御自分の罰と裁きを悪人に下せるように義人(兵士や民)が殺されるままにしておかれる。
義人(兵士や民)は殺されても神さまに捨てられたわけではない。
義人(兵士や民)は神さまの安息に入るのである。
(3,4,9,13節)
政府要職者への非難
レーマン人がニーファイ人を多数殺しているときに、熱意なくぼんやりと過ごしていることができる、神さまの慈しみを受けて救われると思っているのか。
神さまは、殺された民や兵士の嘆願と苦しみを御存じなので、将来数千人の血が,報復を求めてあなたがたの頭に降りかかるだろう。
多くの同胞が殺されたのは、彼らの罪悪のためではなく、彼らを守る責任を果たさなかったあなた方が罪の宣告を受ける。
神さまの戒めを忘れたのか。先祖が囚われの身にあったことを忘れたのか。幾度も敵の手から救われたことを忘れたか。
境の地の至る所で,何千もの人々が傷つき,血を流しているのに、何もせずに座している何千何万の者たちに囲まれたまま,自分も何もせずに座しているつもりか。
その状態で、神さまはあなたがたを罪のない者と見なしてくださるとでも思っているのか。
このような多大の損害を被ったのは,政府の罪悪のためだ。
あなたがたの罪悪は,あなたがたが誉れと俗世のむなしいものに愛着して生じたものだ。
自分たちの国と子供たちを守る努力を払わなければ,罰の剣があなたがたのうえに落ち,あなた方は滅びる。
罪悪を募らせ,主の義にかなった民を滅ぼすことを,神さまは許されない。
主が罪悪を犯すあなたがたの命を救い,レーマン人に対しては裁きを下されると考えられるか。
あなたがたは,自分たちが神の律法に背いていること、神の律法を足の下に踏みつけていることを承知しているのだ。
(7,9,10-12,20,22,23,28,29,31-33節)
神さまの裁きが降る懸念
わたしは、政府の怠慢で同胞である殺された者たちを彼らが甚だひどく軽視したために,神さまの裁きがニーファイ人に下るのではないかと非常に懸念している。
政府の指導者から始まった悪がなければ,敵を防ぎ、敵がわたしたちを支配する権力を得させなかった。
ニーファイ人の中で起きた内戦がなく、王政党の者たちが、権力を得ようとせず、多くの流血を引き起こした争いがなく、自由の大義に誠実であり,わたしたちと結束し,敵と戦っていたならば,わたしたちが主の力をもって敵と戦っていたならば,わたしたちは敵を追い散らしていた。
今レーマン人はニーファイ人の土地を占領し,ニーファイ人に攻め寄せている。
レーマン人はニーファイ人を女や子供さえも殺し,女と子供を捕らえて連れて行き,あらゆる苦難を負わせている。
これは権力と権威を求めている者たち,あの王政党の者たちのひどい悪事のせいである。
(14-17節)
器の内側を清める
神さまが
『まず器の内側を清めなさい。それから器の外側も清めなさい』、
『もしあなたがたが総督に選んだ者たちが,自分の罪と不義を悔い改めなければ,あなたがたは上って行って彼らと戦いなさい』
と言われた。
わたしは神さまに命じられたことを果たすように強く促されている。
国の大義を守るために剣を取ることは,神さまに命じられたことにかなっている。
わたしは、あなたがたが神の御言葉に従うこと,食糧と兵を速やかに送ることを願う。
今すぐに神の御言葉を実行に移すように手はずを整えてほしい。
あなたがたがそうしなければ,わたしはレーマン人との戦いをおいて、速やかにあなたがたのもとへ行く。
わたしは、神さまの力と祝福をこの地方を守る兵に彼らに残し、彼らの深い信仰と艱難の中での忍耐のゆえに、ほかのいかなる力も彼らに及ばないようにしておく。
神さまはわたしたちが飢えのために滅びるのを許されないので、剣によってであろうと,神さまはわたしたちにあなたがたの食糧をお与えくださる。
わたしは、あなたがたの権力もあなたがたの権威も恐れず、神さまのみを畏れる。
わたしは、ゼラヘムラの地へ行って,自由を求める者がいれば,権力と権威を奪い取ることを願う者たちが死に絶えるまで,謀反を扇動する。
わたしは剣であなたがたを討ち、自由の大義を広めるのを妨げる力を二度と持てなくなるようにする。
アルマ書60章
36 まことに,わたしはあなたがたの司令官,モロナイです。わたしは権力を求めず,むしろそれを引き倒そうとしています。わたしは世の誉れを求めず,むしろ神の栄光とわたしの国の自由と幸いとを求めています。これでわたしの手紙を結びます。
(23,24,25,27,28,30,33-36節)
まとめ
義人も災害や事故、戦争で命を失うこともある
悪人によって被害を受けることもある
神さまは義人を救い、悪人に罰を与える
悪人が代価を払って、悔い改めることもある
悔い改めないときは、自分で罪の重荷を負うことになる
神さまの公平な正義、人は言い逃れることはできない
おまけ
モロナイがペホーランに送った手紙
充分な援兵が来ない理由
モロナイは戦いに忙しくて国の内情を知らない。
ペホーランが悪いと判断した。(怠惰で不注意)
ペホーランを責める。
安全な場所にあって他の人のために何もしないのは罪悪である。21,19,23,11 節
指導する人は人々のために熱心に勤めなくてはならない。
正しい人が死ぬ理由。13節
一致して戦ったら負けない。主の言葉通りになる。
器の内部を清潔にして、それから、外側も清潔にする。
レーマン人との戦いをおいて、国の内部の罪悪を取り除く。
権力を求めず、打ち破ろうとする。
浮世の名誉を求めず、神に栄光のあることを求め、国の自由と福利とを求めている。