それは人を罪から解放し、神様のもとに引き寄せ、永遠の生命を与えるためでした。
救い主は、人の痛みを知るためにすべての下に身をおとし、神様の恵みを受けて成長されました。
こんにちはおおさむです。訪問ありがとうございます。
新約聖書の4つの福音書
マタイによる福音書 マルコによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
にイエスキリストの物語があります。
この物語は何を伝えているんだろうと思われているかもしれません。
聖書を学び始めてから40年以上が過ぎた私の考えを伝えます。お役にたてば幸いです。
これらを整理してお伝えしていきます。
ここでは、イエスキリストの系図・バプテスマのヨハネとイエスキリストの誕生と成長について記載します。
新約聖書・イエスキリストの系図・バプテスマのヨハネとイエスキリストの誕生をご紹介します。
新約聖書・イエスキリストの系図・バプテスマのヨハネとイエスキリストの誕生
2.バプテスマのヨハネの誕生も神様の力のあらわれです
3.世の救い主、イエスキリストの誕生が告げられました
4.イエスキリストは、慌ただしい時期、貧しい中、馬小屋で生まれました
5.貧しい羊飼いたちがキリストの生誕を証しました
6.シメオンとアンナが神殿でイエスについて預言しました
7.東方から博士たちが幼子を拝みにきました
8.ヘロデ王が2歳以下の男の子をすべて殺しました
9.幼子は成長して神様と人から愛されました
ご自身でオンラインまたは書籍で読んでいただくようにお願いします。
聖書のオンライン版は
https://www.churchofjesuschrist.org/study/scriptures?lang=jpn
または
https://www.wordproject.org/bibles/jp/index.htm
を参照してください。
以下で引用符「」で示しているのは、参考聖句などです。
ひとつひとつ簡単に解説します。
1.イエスキリストはダビデの直系、約束された救い主です
旧約聖書の預言者たちは、ダビデの血統・系譜からイスラエルの救い主が生まれると預言しています。
マタイによる福音書とルカによる福音書には、イエスキリストがダビデの正当な子孫であり、約束の救い主(メシア)であることが示されています。
神様は、神様のひとり子である、救い主が生まれる家系をずっと守ってこられました。
あなたも同じように、神様はあなたが生まれる家系をずっと守ってこられたのです。
これが福音書のイエスキリストの系図から学べることのひとつです。
2.バプテスマのヨハネの誕生も神様の力のあらわれです
のちにバプテスマのヨハネと呼ばれるようになった人物もイエスキリストの前に道を備えるように神様から召された人でした。
彼は、祭司ザカリヤの長男として生まれました。
旧約聖書の時代の預言者マラキのあと、エルサレム周辺には髪に召された預言者はおらず、神様からの啓示は与えらてきませんでした。
しかし、数百年の沈黙ののち、神様の啓示が祭司ザカリヤに与えられたのです。
ザカリヤと妻エリサベツの間には、長い間、子どもが生まれませんでした。
すでに老年になっていたのに、子どもが与えられると啓示を受け、それが実現したのです。
神様にできないことはありません。
啓示が止んだと思われていた時代でも神様は預言者を召すことができ、不妊の年老いた女性に子どもを与えることもお出来になります。
神様の御心にかなうのであればあなたの願いもかないます。
3.世の救い主、イエスキリストの誕生が告げられました
乙女が身ごもること以上に不可思議なことはありません。
清く過ごすマリヤのもとに天使が現れ、あなたは子を産み、その子は、ダビデの王座を受け、永遠にイスラエルを支配する、と告げたのです。
驚きながらも、マリヤはその不思議を信仰によって受け入れました。
婚約していた女性が自分の知らないところで子を宿していることを知ったヨセフは、このことを公にして、マリヤを死罪にするよりも、ひそかに離縁し、そっとしておくことを選ぼうとしました。
これはヨセフのマリヤに対する愛の現れです。
その決心をしたときに、天使が現れ、ヨセフにこれは神様の業である、思い悩むことはない、と告げるのです。
ヨセフも信仰によって受け入れました。
神様に選ばれるようにいつも清く過ごすこと
人に対して親切で優しくあること
困難と思えることも、信じて受け入れること
自分にできる限りを尽くすこと
マリヤもヨセフもそのようなことができる人たちでした。
そして神様から選ばれたのです。
4.イエスキリストは、慌ただしい時期、貧しい中、馬小屋で生まれました
クリスマスの生誕劇をご覧になった方はお分かりのように
イエスキリストは馬小屋で生まれました。
ユダヤ人を支配していたローマ皇帝からの人口調査をせよとの勅令により、臨月であったにもかかわらず、ヨセフとマリヤは旅をして先祖の地へ戻っていました。
同じように戻ってきた人で慌ただしいダビデの町ベツレヘムで、貧しい二人はきれいな個室を確保できず、雑多な人たちとともにいました。
そして、出産のときが来て、人を避けるため馬小屋に向かい、そこでイエスキリストがお生まれになったのです。
長子が生まれ、神殿で犠牲を捧げる際に、豊かであれば子羊を、貧しければ、山鳩を捧げることになっていたからです。
神様にはできないことはない、と天使は告げました。
その子は穏やかで平安で豊かできれいな場所で出産を迎えることもできたはずです。
しかし、最も低い場所に身を落とされることを示すために、そのような時期、場所で、この世に来られたのです。
5.貧しい羊飼いたちがキリストの生誕を証しました
ベツレヘム近郊の野原で、野宿しながら羊の群れの番をしていた羊飼いたちに、天使が栄光とともに現れ、救い主の誕生を知らせました。
そのとき、あまたの天の軍勢が天使と一緒に賛美を歌ったのです。
羊飼いたちは疑うことなく、すぐに、急いで、ベツレヘムへと向かい、マリヤとヨセフ、また飼葉おけに寝かしてある幼な子を捜しあて、賛美し、自分たちが見たこと聞いたことを人々に知らせました。
神様は、少数の貧しい羊飼いたちを選んで救い主の誕生を告げ、彼らがユダヤの人たちに救い主のことを伝える証人になるようにされたのです。
たとえあなたがどんな人物であろうと、救い主がおられることを証することができます。
6.シメオンとアンナが神殿でイエスについて預言しました
イスラエルに与えられた律法に従い、幼子が生まれて8日目に割礼を受け、マリヤの清めの期間(40日間)が明けてから、犠牲を捧げるために、ヨセフとマリヤは幼子を連れてエルサレムの神殿に向かいました。
宮に入ると、シメオンという人が、幼子について証ししました。
それは、その子によってイスラエルが救いを得、異邦人にも光となる、しかし、母であるマリヤも胸を刺し貫かれる痛みを感じる、というものでした。
また、女預言者アンナも神殿でその幼子を賛美し、その幼子のことを救いを待ち望む人たちに語り聞かせました。
7.東方から博士たちが幼子を拝みにきました
貧しい羊飼いたち、神殿で暮らすシメオンとアンナ、この人たちは豊かな人たちではなかったので、エルサレムの支配者層にはその声は無視されたでしょう。エルサレムの支配者層にも無視できない人たちが東方からやってきます。
東方から来た博士たちはヘロデ王のところに来ることができました。学識もあり、豊かだったからでしょう。
彼らは星をみて、救い主の誕生を知り、誕生した救い主に会うことを望んで、ユダヤまでやってきたのでした。
ヘロデ王との会見の後、彼らは、再び星に導かれて、幼子イエスのもとにたどり着き、贈り物を捧げました。
ヨセフも神様からの啓示を受け、マリヤとイエスを連れて、エジプトに逃れていきました。
8.ヘロデ王が2歳以下の男の子をすべて殺しました
ヘロデ王は博士たちの言葉を聞いて、その幼子は自分の権威を脅かすものとして不安を感じ、その子を殺すことにして、どこで生まれるのかを確認し、博士たちに自分も拝みに行きたいので見つけたら教えてほしいと頼みました。
博士たちが自分のもとに来ないことを知り、博士たちから聞いた誕生の時から推測して、ベツレヘムとその周囲の2歳以下の男の子をすべて殺しました。
残虐なヘロデ王にとって、ユダの子どもたちの命は惜しいものではありませんでした。
ヘロデ王が亡くなったと啓示を受けた後も、ヨセフはベツレヘムに戻ることを恐れ、ガリラヤのナザレに住むことにしました。
ヘロデ王は家族や臣下に対して残酷な復讐を絶え間なく行っていました。
臨終の際には、自分のそばに貴族たちを呼び寄せ、自分が死んだらすぐに彼らを殺すように言いつけたほどです。
ヘロデ王については、「旧約聖書と新約聖書の間をつなぐ4つのこと」の「4ヘロデ大王の統治が始まりました」も参照してください
9.幼子は成長して神様と人から愛されました
幼子イエスは、知恵に満ち、神様の恵みを受けて育ちました。
12歳の時には、神殿の中で、教師たちに教え、彼らが驚嘆するほどの賢さを持っていました。
神様と人から愛される人格を培われました。
ご自身も神様と人を愛されました。
新約聖書からいくつかの聖句を抜粋
(操作方法)右側の「+」付近をクリックすると聖句が広がって出てきます。
そのあと、右側の「-」付近をクリックすると閉じます。
- イエスキリストの系図
- (マタイによる福音書1章)
1)アブラハムの子であるダビデの子、イエス・キリストの系図。
2)アブラハムはイサクの父であり、イサクはヤコブの父、ヤコブはユダとその兄弟たちとの父、
3)ユダはタマルによるパレスとザラとの父、パレスはエスロンの父、エスロンはアラムの父、
4)アラムはアミナダブの父、アミナダブはナアソンの父、ナアソンはサルモンの父、
5)サルモンはラハブによるボアズの父、ボアズはルツによるオベデの父、オベデはエッサイの父、
6)エッサイはダビデ王の父であった。ダビデはウリヤの妻によるソロモンの父であり、
7)ソロモンはレハベアムの父、レハベアムはアビヤの父、アビヤはアサの父、
8)アサはヨサパテの父、ヨサパテはヨラムの父、ヨラムはウジヤの父、
9)ウジヤはヨタムの父、ヨタムはアハズの父、アハズはヒゼキヤの父、
10)ヒゼキヤはマナセの父、マナセはアモンの父、アモンはヨシヤの父、
11)ヨシヤはバビロンへ移されたころ、エコニヤとその兄弟たちとの父となった。
12)バビロンへ移されたのち、エコニヤはサラテルの父となった。サラテルはゾロバベルの父、
13)ゾロバベルはアビウデの父、アビウデはエリヤキムの父、エリヤキムはアゾルの父、
14)アゾルはサドクの父、サドクはアキムの父、アキムはエリウデの父、
15)エリウデはエレアザルの父、エレアザルはマタンの父、マタンはヤコブの父、
16)ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父であった。このマリヤからキリストといわれるイエスがお生れになった。
17)だから、アブラハムからダビデまでの代は合わせて十四代、ダビデからバビロンへ移されるまでは十四代、そして、バビロンへ移されてからキリストまでは十四代である。(ルカによる福音書3章)
23)イエスが宣教をはじめられたのは、年およそ三十歳の時であって、人々の考えによれば、ヨセフの子であった。ヨセフはヘリの子、
24)それから、さかのぼって、マタテ、レビ、メルキ、ヤンナイ、ヨセフ、
25)マタテヤ、アモス、ナホム、エスリ、ナンガイ、
26)マハテ、マタテヤ、シメイ、ヨセク、ヨダ、
27)ヨハナン、レサ、ゾロバベル、サラテル、ネリ、
28)メルキ、アデイ、コサム、エルマダム、エル、
29)ヨシュア、エリエゼル、ヨリム、マタテ、レビ、
30)シメオン、ユダ、ヨセフ、ヨナム、エリヤキム、
31)メレヤ、メナ、マタタ、ナタン、ダビデ、
32)エッサイ、オベデ、ボアズ、サラ、ナアソン、
33)アミナダブ、アデミン、アルニ、エスロン、パレス、ユダ、
34)ヤコブ、イサク、アブラハム、テラ、ナホル、
35)セルグ、レウ、ペレグ、エベル、サラ、
36)カイナン、アルパクサデ、セム、ノア、ラメク、
37)メトセラ、エノク、ヤレデ、マハラレル、カイナン、
38)エノス、セツ、アダム、そして神にいたる。
- バプテスマのヨハネの誕生
- (ルカによる福音書1章)
5)ユダヤの王ヘロデの世に、アビヤの組の祭司で名をザカリヤという者がいた。その妻はアロン家の娘のひとりで、名をエリサベツといった。
6)ふたりとも神のみまえに正しい人であって、主の戒めと定めとを、みな落度なく行っていた。
7)ところが、エリサベツは不妊の女であったため、彼らには子がなく、そしてふたりともすでに年老いていた。
8)さてザカリヤは、その組が当番になり神のみまえに祭司の務をしていたとき、
9)祭司職の慣例に従ってくじを引いたところ、主の聖所にはいって香をたくことになった。
10)香をたいている間、多くの民衆はみな外で祈っていた。
11)すると主の御使が現れて、香壇の右に立った。
12)ザカリヤはこれを見て、おじ惑い、恐怖の念に襲われた。
13)そこで御使が彼に言った、「恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈が聞きいれられたのだ。あなたの妻エリサベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名づけなさい。
14)彼はあなたに喜びと楽しみとをもたらし、多くの人々もその誕生を喜ぶであろう。
15)彼は主のみまえに大いなる者となり、ぶどう酒や強い酒をいっさい飲まず、母の胎内にいる時からすでに聖霊に満たされており、
16)そして、イスラエルの多くの子らを、主なる彼らの神に立ち帰らせるであろう。
17)彼はエリヤの霊と力とをもって、みまえに先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に義人の思いを持たせて、整えられた民を主に備えるであろう」。
18)するとザカリヤは御使に言った、「どうしてそんな事が、わたしにわかるでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています」。
19)御使が答えて言った、「わたしは神のみまえに立つガブリエルであって、この喜ばしい知らせをあなたに語り伝えるために、つかわされたものである。
20)時が来れば成就するわたしの言葉を信じなかったから、あなたは口がきけなくなり、この事の起る日まで、ものが言えなくなる」。
21)民衆はザカリヤを待っていたので、彼が聖所内で暇どっているのを不思議に思っていた。
22)ついに彼は出てきたが、物が言えなかったので、人々は彼が聖所内でまぼろしを見たのだと悟った。彼は彼らに合図をするだけで、引きつづき、口がきけないままでいた。
23)それから務の期日が終ったので、家に帰った。
24)そののち、妻エリサベツはみごもり、五か月のあいだ引きこもっていたが、
25)「主は、今わたしを心にかけてくださって、人々の間からわたしの恥を取り除くために、こうしてくださいました」と言った。57)さてエリサベツは月が満ちて、男の子を産んだ。
58)近所の人々や親族は、主が大きなあわれみを彼女におかけになったことを聞いて、共どもに喜んだ。
59)八日目になったので、幼な子に割礼をするために人々がきて、父の名にちなんでザカリヤという名にしようとした。
60)ところが、母親は、「いいえ、ヨハネという名にしなくてはいけません」と言った。
61)人々は、「あなたの親族の中には、そういう名のついた者は、ひとりもいません」と彼女に言った。
62)そして父親に、どんな名にしたいのですかと、合図で尋ねた。
63)ザカリヤは書板を持ってこさせて、それに「その名はヨハネ」と書いたので、みんなの者は不思議に思った。
64)すると、立ちどころにザカリヤの口が開けて舌がゆるみ、語り出して神をほめたたえた。
- イエスキリストの誕生
- (マタイによる福音書1章)
18)イエス・キリストの誕生の次第はこうであった。母マリヤはヨセフと婚約していたが、まだ一緒にならない前に、聖霊によって身重になった。
19)夫ヨセフは正しい人であったので、彼女のことが公けになることを好まず、ひそかに離縁しようと決心した。
20)彼がこのことを思いめぐらしていたとき、主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。
21)彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである」。
22)すべてこれらのことが起ったのは、主が預言者によって言われたことの成就するためである。すなわち、
23)「見よ、おとめがみごもって男の子を産むであろう。その名はインマヌエルと呼ばれるであろう」。これは、「神われらと共にいます」という意味である。
24)ヨセフは眠りからさめた後に、主の使が命じたとおりに、マリヤを妻に迎えた。
25)しかし、子が生れるまでは、彼女を知ることはなかった。そして、その子をイエスと名づけた。(ルカによる福音書1章)
26)六か月目に、御使ガブリエルが、神からつかわされて、ナザレというガリラヤの町の一処女のもとにきた。
27)この処女はダビデ家の出であるヨセフという人のいいなづけになっていて、名をマリヤといった。
28)御使がマリヤのところにきて言った、「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におられます」。
29)この言葉にマリヤはひどく胸騒ぎがして、このあいさつはなんの事であろうかと、思いめぐらしていた。
30)すると御使が言った、「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵みをいただいているのです。
31)見よ、あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その子をイエスと名づけなさい。
32)彼は大いなる者となり、いと高き者の子と、となえられるでしょう。そして、主なる神は彼に父ダビデの王座をお与えになり、
33)彼はとこしえにヤコブの家を支配し、その支配は限りなく続くでしょう」。
34)そこでマリヤは御使に言った、「どうして、そんな事があり得ましょうか。わたしにはまだ夫がありませんのに」。
35)御使が答えて言った、「聖霊があなたに臨み、いと高き者の力があなたをおおうでしょう。それゆえに、生れ出る子は聖なるものであり、神の子と、となえられるでしょう。
36)あなたの親族エリサベツも老年ながら子を宿しています。不妊の女といわれていたのに、はや六か月になっています。
37)神には、なんでもできないことはありません」。
38)そこでマリヤが言った、「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように」。そして御使は彼女から離れて行った。(ルカによる福音書2章)
1)そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た。
2)これは、クレニオがシリヤの総督であった時に行われた最初の人口調査であった。
3)人々はみな登録をするために、それぞれ自分の町へ帰って行った。
4)ヨセフもダビデの家系であり、またその血統であったので、ガリラヤの町ナザレを出て、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
5)それは、すでに身重になっていたいいなづけの妻マリヤと共に、登録をするためであった。
6)ところが、彼らがベツレヘムに滞在している間に、マリヤは月が満ちて、
7)初子を産み、布にくるんで、飼葉おけの中に寝かせた。客間には彼らのいる余地がなかったからである。
- 羊飼いたちがキリストの誕生を証しする
- (ルカによる福音書2章)
8)さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。
9)すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照したので、彼らは非常に恐れた。
10)御使は言った、「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。
11)きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。
12)あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」。
13)するとたちまち、おびただしい天の軍勢が現れ、御使と一緒になって神をさんびして言った、
14)「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」。
15)御使たちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼たちは「さあ、ベツレヘムへ行って、主がお知らせ下さったその出来事を見てこようではないか」と、互に語り合った。
16)そして急いで行って、マリヤとヨセフ、また飼葉おけに寝かしてある幼な子を捜しあてた。
17)彼らに会った上で、この子について自分たちに告げ知らされた事を、人々に伝えた。
18)人々はみな、羊飼たちが話してくれたことを聞いて、不思議に思った。
19)しかし、マリヤはこれらの事をことごとく心に留めて、思いめぐらしていた。
20)羊飼たちは、見聞きしたことが何もかも自分たちに語られたとおりであったので、神をあがめ、またさんびしながら帰って行った。
- シメオンとアンナの預言
- (ルカによる福音書2章)
21)八日が過ぎ、割礼をほどこす時となったので、受胎のまえに御使が告げたとおり、幼な子をイエスと名づけた。
22)それから、モーセの律法による彼らのきよめの期間が過ぎたとき、両親は幼な子を連れてエルサレムへ上った。
23)それは主の律法に「母の胎を初めて開く男の子はみな、主に聖別された者と、となえられねばならない」と書いてあるとおり、幼な子を主にささげるためであり、
24)また同じ主の律法に、「山ばと一つがい、または、家ばとのひな二羽」と定めてあるのに従って、犠牲をささげるためであった。25)その時、エルサレムにシメオンという名の人がいた。この人は正しい信仰深い人で、イスラエルの慰められるのを待ち望んでいた。また聖霊が彼に宿っていた。
26)そして主のつかわす救主に会うまでは死ぬことはないと、聖霊の示しを受けていた。
27)この人が御霊に感じて宮にはいった。すると律法に定めてあることを行うため、両親もその子イエスを連れてはいってきたので、
28)シメオンは幼な子を腕に抱き、神をほめたたえて言った、
29)「主よ、今こそ、あなたはみ言葉のとおりに/この僕を安らかに去らせてくださいます、
30)わたしの目が今あなたの救を見たのですから。
31)この救はあなたが万民のまえにお備えになったもので、
32)異邦人を照す啓示の光、み民イスラエルの栄光であります」。
33)父と母とは幼な子についてこのように語られたことを、不思議に思った。
34)するとシメオンは彼らを祝し、そして母マリヤに言った、「ごらんなさい、この幼な子は、イスラエルの多くの人を倒れさせたり立ちあがらせたりするために、また反対を受けるしるしとして、定められています。――
35)そして、あなた自身もつるぎで胸を刺し貫かれるでしょう。――それは多くの人の心にある思いが、現れるようになるためです」。
36)また、アセル族のパヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。彼女は非常に年をとっていた。むすめ時代にとついで、七年間だけ夫と共に住み、
37)その後やもめぐらしをし、八十四歳になっていた。そして宮を離れずに夜も昼も断食と祈とをもって神に仕えていた。
38)この老女も、ちょうどそのとき近寄ってきて、神に感謝をささげ、そしてこの幼な子のことを、エルサレムの救を待ち望んでいるすべての人々に語りきかせた。
39)両親は主の律法どおりすべての事をすませたので、ガリラヤへむかい、自分の町ナザレに帰った。
- 東方の博士たちがキリストの誕生を証しする
- (マタイによる福音書2章)
1)イエスがヘロデ王の代に、ユダヤのベツレヘムでお生れになったとき、見よ、東からきた博士たちがエルサレムに着いて言った、
2)「ユダヤ人の王としてお生れになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みにきました」。
3)ヘロデ王はこのことを聞いて不安を感じた。エルサレムの人々もみな、同様であった。
4)そこで王は祭司長たちと民の律法学者たちとを全部集めて、キリストはどこに生れるのかと、彼らに問いただした。
5)彼らは王に言った、「それはユダヤのベツレヘムです。預言者がこうしるしています、
6)『ユダの地、ベツレヘムよ、おまえはユダの君たちの中で、決して最も小さいものではない。おまえの中からひとりの君が出て、わが民イスラエルの牧者となるであろう』」。
7)そこで、ヘロデはひそかに博士たちを呼んで、星の現れた時について詳しく聞き、
8)彼らをベツレヘムにつかわして言った、「行って、その幼な子のことを詳しく調べ、見つかったらわたしに知らせてくれ。わたしも拝みに行くから」。
9)彼らは王の言うことを聞いて出かけると、見よ、彼らが東方で見た星が、彼らより先に進んで、幼な子のいる所まで行き、その上にとどまった。
10)彼らはその星を見て、非常な喜びにあふれた。
11)そして、家にはいって、母マリヤのそばにいる幼な子に会い、ひれ伏して拝み、また、宝の箱をあけて、黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげた。
12)そして、夢でヘロデのところに帰るなとのみ告げを受けたので、他の道をとおって自分の国へ帰って行った。13)彼らが帰って行ったのち、見よ、主の使が夢でヨセフに現れて言った、「立って、幼な子とその母を連れて、エジプトに逃げなさい。そして、あなたに知らせるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが幼な子を捜し出して、殺そうとしている」。
14)そこで、ヨセフは立って、夜の間に幼な子とその母とを連れてエジプトへ行き、
15)ヘロデが死ぬまでそこにとどまっていた。それは、主が預言者によって「エジプトからわが子を呼び出した」と言われたことが、成就するためである。
- ヘロデ王が2歳以下の男の子をすべて殺す
- (マタイによる福音書2章)
16)さて、ヘロデは博士たちにだまされたと知って、非常に立腹した。そして人々をつかわし、博士たちから確かめた時に基いて、ベツレヘムとその附近の地方とにいる二歳以下の男の子を、ことごとく殺した。
17)こうして、預言者エレミヤによって言われたことが、成就したのである。
18)「叫び泣く大いなる悲しみの声が/ラマで聞えた。ラケルはその子らのためになげいた。子らがもはやいないので、慰められることさえ願わなかった」。
19)さて、ヘロデが死んだのち、見よ、主の使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて言った、
20)「立って、幼な子とその母を連れて、イスラエルの地に行け。幼な子の命をねらっていた人々は、死んでしまった」。
21)そこでヨセフは立って、幼な子とその母とを連れて、イスラエルの地に帰った。
22)しかし、アケラオがその父ヘロデに代ってユダヤを治めていると聞いたので、そこへ行くことを恐れた。そして夢でみ告げを受けたので、ガリラヤの地方に退き、
23)ナザレという町に行って住んだ。これは預言者たちによって、「彼はナザレ人と呼ばれるであろう」と言われたことが、成就するためである。
- 幼子は成長して神と人から愛される
- (ルカによる福音書2章)
40 幼な子は、ますます成長して強くなり、知恵に満ち、そして神の恵みがその上にあった。
41 さて、イエスの両親は、過越の祭には毎年エルサレムへ上っていた。
42 イエスが十二歳になった時も、慣例に従って祭のために上京した。
43 ところが、祭が終って帰るとき、少年イエスはエルサレムに居残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。
44 そして道連れの中にいることと思いこんで、一日路を行ってしまい、それから、親族や知人の中を捜しはじめたが、
45 見つからないので、捜しまわりながらエルサレムへ引返した。
46 そして三日の後に、イエスが宮の中で教師たちのまん中にすわって、彼らの話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。
47 聞く人々はみな、イエスの賢さやその答に驚嘆していた。
48 両親はこれを見て驚き、そして母が彼に言った、「どうしてこんな事をしてくれたのです。ごらんなさい、おとう様もわたしも心配して、あなたを捜していたのです」。
49 するとイエスは言われた、「どうしてお捜しになったのですか。わたしが自分の父の家にいるはずのことを、ご存じなかったのですか」。
50 しかし、両親はその語られた言葉を悟ることができなかった。
51 それからイエスは両親と一緒にナザレに下って行き、彼らにお仕えになった。母はこれらの事をみな心に留めていた。
52 イエスはますます知恵が加わり、背たけも伸び、そして神と人から愛された。
- (参考)初子の犠牲、清めの期間
- (出エジプト記13章)
2 「イスラエルの人々のうちで、すべてのういご、すなわちすべて初めに胎を開いたものを、人であれ、獣であれ、みな、わたしのために聖別しなければならない。それはわたしのものである」。(レビ記12章)
2)「イスラエルの人々に言いなさい、『女がもし身ごもって男の子を産めば、七日のあいだ汚れる。すなわち、月のさわりの日かずほど汚れるであろう。
3)八日目にはその子の前の皮に割礼を施さなければならない。
4)その女はなお、血の清めに三十三日を経なければならない。その清めの日の満ちるまでは、聖なる物に触れてはならない。また聖なる所にはいってはならない。
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