新約聖書・ヨハネの黙示録の要約と感想(1)導入~3章

新約聖書のヨハネの黙示録は一度や二度読んだとて、内容を理解するのが難しい。自分なりに読み解いてみたので参考までに公開します。ここではヨハネの黙示録の背景や前提知識となる箇所について書きました

こんにちはおおさむです。訪問ありがとうございます。

新約聖書のヨハネの黙示録に使徒ヨハネがイエスキリストさまから受けた黙示が記録されています。
この物語は何を伝えているんだろうと思われているかもしれません。

聖書を学び始めてから40年以上が過ぎた私の考えを伝えます。お役にたてば幸いです。

ヨハネの黙示録は22章に分かれています。ここでは、導入として背景と1章から3章までを取り上げます。

聖書全体のテーマは

  • イエスキリストは、私たちの救い主、羊飼い、であり、どんなことがあっても、私たちを完全な愛のうちに導いておられること
  • 罪の贖いはイエスキリストの完全な犠牲のもと、個人の信仰と悔い改めを条件にしていること
  • 神様の戒め(訓戒)に従う時に救いを得ること、
  • 戒めに従うとは形式を守ることではなく、心を神様に近づけること

です。

人が存在するのは、(神様の戒めに従うことで)幸福になるためです。
神様の戒めに従うためには、神様を信じる信仰を育てる必要があります。


導入

黙示録が書かれた時代背景(推測)

  • 黙示録の正確な年代や詳しい情報はわからない。諸説あり。
  • ヨハネはローマ政府によってパトモス島(トルコ沿岸部から程近いエーゲ海に浮かぶギリシャの小島)に送られ、そこで啓示を受けた、と考えられている。
     ※ウイキペディアの「ヨハネの黙示録」、「パトモス島」を参照
  • パトモス島に送られたのは、当時のローマ政府が排斥していたキリスト教の指導者(使徒)であったため。
  • アジア(現在のトルコの西側)にある7つの教会に書簡を送っているので、このあたりの指導をしていたものと思われる
  • 当時の教会員は、指導者(使徒)を失い、ローマの迫害・弾圧を受け、信仰を保つのが難しかった、苦しかったと思われる。

読み解くための前提

  • 聖書とともに、モルモン書、教義と聖約に頼って、「ヨハネの黙示録」を読み解いてみることとする。
  • 最も大切なことは、神さまの御心を聖霊によって知ること。(わたしにできるかな)
  • 黙示録には「終わりの時までのこと」が記されている。今はその直前(以下では「末の日」と記す)である。

予備知識

  • 歴史的事実:新約聖書に残されたヨハネの記録は、黙示録のほかに「ヨハネによる福音書」、「ヨハネの第一の手紙」、「ヨハネの第二の手紙」、「ヨハネの第三の手紙」がある。黙示録が最も早く書かれた。
  • 「ヨハネの第一の手紙」、「ヨハネの第二の手紙」、「ヨハネの第三の手紙」は平易に書かれているので、ヨハネは平易に書くことができる。なので、「ヨハネによる福音書」は意図的に難解に書かれている。
  • 難解さは暗号となる。それゆえに書き換えられることが少なかった。イザヤ書も同じ。

  • ニーファイは示現の中で、自分が書いてはならないと禁じられた「終わりの時までのこと」を使徒ヨハネが書き記すことを教えられた。
  • ニーファイは示現の中で、末の日に、ヨハネが書いた「終わりの時までのこと」が広く読まれていることを見ている。
  • ニーファイは、自分の書く記録とともに、ヨハネが書く「終わりの時までのこと」を末の日に広く読まれることを知っていた。

  • モルモン書で聖書の中で読みなさいと指示しているのは、黙示録とイザヤ書。
  • モルモン書と教義と聖約の助けを得て、黙示録やイザヤ書は意図を理解しやすくなる(はず)。
  • 教義と聖約には、黙示録の解説(Q&A)の記載がある。
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ヨハネが黙示録を書くように召された理由

  • ヨハネが「黙示録」=「これから先に起きること」を書き記したのはなぜか
  • ニーファイが啓示を受けた際に、約600年後の「ヨハネ」が書く、と宣言されている。
  • ヨハネは死ぬことがないと宣言された。(教義と聖約7章参照)
  • ヨハネは救い主の再臨の時まで、救い主が来られる備えをする、つまり、イスラエルを集合させ、万物を元通りにするエライアスである。(教義と聖約77章参照)

  • ヨハネは一人でこの業を行うのではなく、ともに働く人(聖徒)たちとともにこの業を行う。
参照聖句

(教義と聖約7章)
5)わたしはあなたに言う。ペテロよ,これは善い望みであった。しかし,わたしの愛する者はそれ以上のこと,すなわち,彼がこれまで行ってきたことよりもさらに大いなる業を人々の中で行うことを望んだ。
6)まことに,彼はさらに大いなる業を引き受けた。それゆえ,わたしは彼を燃える火のようにし,また仕える天使とする。地上に住んでいる救いを受け継ぐ者のために,彼は仕えるであろう。
7)また,わたしはあなたを,彼とあなたの兄弟ヤコブのために仕えさせよう。そして,わたしはあなたがた三人に,わたしが来るときまでこの力とこの務めの鍵とを授けよう

(教義と聖約77章)
14)問い。黙示録第十章に述べられている,ヨハネが食べた小さな巻き物によって,わたしたちは何を理解すべきか。
  答え。わたしたちは次のように理解すべきである。すなわち,それは彼がイスラエルのもろもろの部族を集めるという使命であり,定めであった。見よ,この人こそ,書き記されているように,必ず来て万事を元どおりにするエライアスである

【第 1 章】イエス・キリストのおとずれ

  • 黙示録を書いたのは「ヨハネ」である、と宣言。ニーファイの紹介に呼応している。(ヨハネが書いたほかの書ではだれが書いたかを明記していない)
  • 書かれていることを守る者たちは幸いである。キリスト様が与えた戒めを守る者たち=キリスト教会の会員
参照聖句

ヨハネの黙示録1章
3)この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて、その中に書かれていることを守る者たちとは、さいわいである。時が近づいているからである。
19)そこで、あなたの見たこと、現在のこと、今後起ろうとすることを、書きとめなさい。

(ジョセフスミス訳聖書ヨハネの黙示録1章)
6)そして,わたしたちを愛し,その血によってわたしたちを罪から洗い清め,わたしたちを王とし,その父なる神のために祭司としてくださった御方に,栄光があるように。とこしえにいつまでも栄光と力があるように,アーメン。
7)見よ,その御方は,御父の栄光をまとって,王国の何万人もの聖徒とともに,雲の中を来られるからである。そして,すべての目がその御方を見る。また,その御方を突き刺した者たちと,地上のすべての部族が,その御方のゆえに嘆くであろう。まことにそのとおりである,アーメン。
8)その御方はこう言われるからである。「わたしはアルパでありオメガであり,初めであり終わりであり,今おり,かつており,やがて来る者,全能者である。」

このあと、7つの教会への書簡が入るので、将来のことは第 4 章以降に記載されている。

言葉の定義

ヨハネの黙示録の中に記載された「言い換え」「別の表現」

イエス・キリストを示す言葉

  • 今いまし、昔いまし、やがてきたるべきかた
  • 御座の前にある7つの霊
  • 忠実な証人
  • 死人の中から最初に生れた者
  • 地上の諸王の支配者
  • わたしたちを、その父なる神のために、御国の民とし、祭司として下さったかた
  • 世々限りなく栄光と権力とがあるかた
  • 雲に乗ってこられる
  • 全能者
  • 主なる神
  • アルパであり、オメガである(初めであり、終りである)
  • 七つの金の燭台(7つの教会)の間におられる方
  • 足までたれた上着を着、胸に金の帯をしめている人の子のような者
  • そのかしらと髪の毛とは、雪のように白い羊毛に似て真白であり、目は燃える炎のよう
  • その足は、炉で精錬されて光り輝くしんちゅうのよう
  • 声は大水のとどろきのよう
  • 右の手に七つの星(七つの教会の御使)を持つ者
  • 口からは、鋭いもろ刃のつるぎがつき出ている
  • 鋭いもろ刃のつるぎを持っているかた※2章
  • 顔は、強く照り輝く太陽のよう
  • 生きている者
  • 死んだことはあるが、見よ、世々限りなく生きている者
  • 死と黄泉とのかぎを持っている者

  • ※以下は3章から

  • 聖なる者
  • まことなる者
  • ダビデのかぎを持つ者
  • 開けばだれにも閉じられることがなく、閉じればだれにも開かれることのない者
  • アァメンたる者
  • 忠実な、まことの証人
  • 神に造られたものの根源であるかた

  • 以下は4章から

  • 世々限りなく生きておられるかた
  • 栄光とほまれと力とを受けるにふさわしいかた
  • 万物を造られたかた

  • 以下は5章から

  • ほふられたとみえる小羊
  • 巻物を受けとり、封印を解くにふさわしいかた
  • 力と、富と、知恵と、勢いと、ほまれと、栄光と、さんびとを受けるにふさわしいかた

そのほかの言い換え

  • 七つの星 = 七つの教会の御使
  • 七つの金の燭台 = 七つの教会
  • 七つのともし火 = 神の七つの霊(4章)
  • 七つの角、七つの目 = 全世界につかわされた、神の七つの霊(5章)※
  • 香 = 聖徒の祈
  • ※七つの角、七つの目・・JS霊感訳では「それには十二の角と十二の目があった。これらは,全世界に遣わされた,神の十二人の僕である。」

【第2-3章】七つの教会への手紙

  • 黙示録の示現の内容を知らせる前に、当時の教会員の様子を知らせてくれている
  • これらの手紙は、4章からの「難解な」内容を理解するために必要なことがあるからだと思われる

[1]背教が始まっている

「あなたがたがこんなにも早く、あなたがたをキリストの恵みの内へとお招きになったかたから離れて、違った福音に落ちていくことが、わたしには不思議でならない。(ガラテヤ人への手紙1:6)」

[2]福音の原則のおさらい

  • 悔い改めて神さまのおしえに立ち返るならば救いを得る
  • 苦難を受けても終わりまで耐え忍ぶならば救いを得る
  • 罪悪や不品行を避ける
  • 弱っている者を力づける
  • 再臨は盗人のように来る
  • 勝利を得るものは白い衣を着せられる。
  • 神さまの言葉を守る者は神さまによって守られる
  • 参照聖句

    ヨハネの黙示録3章
    11)わたしは、すぐに来る。あなたの冠がだれにも奪われないように、自分の持っているものを堅く守っていなさい。
    12)勝利を得る者を、わたしの神の聖所における柱にしよう。彼は決して二度と外へ出ることはない。そして彼の上に、わたしの神の御名と、わたしの神の都、すなわち、天とわたしの神のみもとから下ってくる新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを、書きつけよう
    18)そこで、あなたに勧める。富む者となるために、わたしから火で精錬された金を買い、また、あなたの裸の恥をさらさないため身に着けるように、白い衣を買いなさい。また、見えるようになるため、目にぬる目薬を買いなさい。
    19)すべてわたしの愛している者を、わたしはしかったり、懲らしめたりする。だから、熱心になって悔い改めなさい
    20)見よ、わたしは戸の外に立って、たたいている。だれでもわたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしはその中にはいって彼と食を共にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう。
    21)勝利を得る者には、わたしと共にわたしの座につかせよう。それはちょうど、わたしが勝利を得てわたしの父と共にその御座についたのと同様である。

    (ジョセフスミス訳聖書ヨハネの黙示録2章)
    22)見よ,わたしはこの女を地獄に投げ入れよう。この女と姦淫する者をも,その行いを悔い改めなければ,大きな艱難の中に投げ入れよう。
    26)勝利を得る者,また最後までわたしの戒めを守る者に,わたしは多くの王国を支配する力を与えよう。
    27)彼は神の言葉をもってそれらを治めるであろう。それらは陶器師の手の中にある粘土の器のように彼の手の中にあるであろう。そして,わたしが御父から受けたように,彼は信仰と公平と公正によってそれらを治めるであろう。

    [3]7つの手紙にはいずれにも「耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい」という文が記されている。

    •  私達は自らを清め、学び、考え、祈り求めるときに、「聖霊の賜物」を通して聖霊から答えを受けることができる。
    •  それは、預言されていた通りに末日にもたらされたものである。
    参照聖句

    (ヨエル書 2:28-32)
    28)その後わたしはわが霊を/すべての肉なる者に注ぐ。あなたがたのむすこ、娘は預言をし、あなたがたの老人たちは夢を見、あなたがたの若者たちは幻を見る。
    29)その日わたしはまた/わが霊をしもべ、はしために注ぐ。
    30)わたしはまた、天と地とにしるしを示す。すなわち血と、火と、煙の柱とがあるであろう。
    31)主の大いなる恐るべき日が来る前に、日は暗く、月は血に変る。
    32)すべて主の名を呼ぶ者は救われる。それは主が言われたように、シオンの山とエルサレムとに、のがれる者があるからである。その残った者のうちに、主のお召しになる者がある

    [4]上記[3]の聖句でヨハネは「耳」を「an ear」すなわち「一つの耳で」としている。

    「an ear」は聖典で9回使われている。8回は黙示録(7回は7つの教会に宛てた手紙の中、1回は黙示録13章)、もう一つは第2ニーファイ書の 28:30

    30)For behold, thus saith the Lord God: I will give unto the children of men line upon line, precept upon precept, here a little and there a little; and blessed are those who hearken unto my precepts, and lend an ear unto my counsel, for they shall learn wisdom; for unto him that receiveth I will give more; and from them that shall say, We have enough, from them shall be taken away even that which they have.
    30)見よ,主なる神はこう言われる。「わたしはここにも少し,そこにも少しと,教えに教え,訓戒に訓戒を加えて,それを人の子らに与えよう。わたしの訓戒を聴き,わたしの勧めにを貸す者は,知恵を得るので幸いである。わたしは受け入れる者にさらに多く与え,『もう十分である』と言う者からは,彼らが持っているものさえも取り上げる。」

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    ここまで読まれて、自分には関係のない話だ、何の役にたつんだ、と思われているかもしれませんね。

    わたしも最初に聖書を読んだとき、とても信じられない、こんなことありっこない、と思っていました。
    それでも、その後、何度か聖書に出会う機会があり、読む機会があり、自分に当てはめて考えるようになりました。
    そのうちのいくつかをここに示しました。

    あなたも、この物語から、自分に役立つなにかをみつけていただければ幸いです。

    あなたがたは、聖書の中に永遠の命があると思って調べているが、この聖書は、わたしについてあかしをするものである。
    (ヨハネによる福音書5章39節)

    聖書のこの書、この物語のどんな点でイエスキリストを見出しますか?
    ここまで読んでくださったあなたへ
    あなたは神様の子で、神様のみもとに永遠に住むことができる存在にです。
    地上に来たのは、いろいろな経験により、あなたの能力が増し加わり、ほかの人を助けることができるようになるためです。

    わたしもこれから成長していきたいので、あなたとともに歩んでいきたいと願っています。

    神様はあなたを愛し、あなたの幸せを願っておられます。

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    あなたがこの世に来たのは、神様の戒めに従って生きるため。
    神に敵対する存在が真理と誤りを混ぜてあなたに伝えても、それに惑わされずに生きるために神様は道を示してくださいます、
    そして、たとえ道を誤ったとしても、また戻ってくる方法があります。

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